中小企業の倒産
中小企業の破綻と会社代表者の生活
中小企業が金融機関から融資を受けるためには、通常、会社代表者の連帯保証が必要となります。そのため,会社の事業が立ちゆかなくなった場合には、会社代表者そしてその家族の生活も立ちゆかなくなります。
会社が破綻した場合、会社そして会社代表者の破産申立てが強制されるものではありません。
しかし、業績の回復が見込めないにもかかわらず、生活資金を切り崩してまで業務を継続させるのであれば、家族を路頭に迷わせることになります。破産を申し立てたとしても、一定限度の資産の保有は認められるのですから、破産申立ては、十分に考慮に値する選択肢であると考えられます。
また、会社代表者が破産を申し立てないままにしておくと、別の会社に就職したとしても給与を差し押さえられる可能性があります。これは、人生の再スタートを果たす上で、経済的のみならず、心情的にも大きな支障となるのではないでしょうか。
会社代表者が破産等を申し立てるためには
代表取締役など会社代表者につき、破産・民事再生を申し立てるという場合、会社についても法的手続若しくは公正な私的整理を行っていなければ、裁判所は、代表者の破産・民事再生を受け付けてくれないことがほとんどです。
そこで,代表者が破産・民事再生を申立てるには,会社についても,破産・民事再生等を申立てなければなりません。
会社破産を検討している場合の主な注意点
● 手続費用を残しておくこと
会社を破産させるためには、破産申立てを依頼する弁護士に対する着手金のほか、裁判所に対する手続費用を納めなければなりません。
● 家族のために生活資金を残しておくこと
破産を申し立てたとしても、現金・預貯金・保険解約返戻金などの資産のうち、それらの合計額が99万円の枠内であれば、自由財産範囲拡張の裁判という手続きをとって、その財産を確保することができます。
● 倒産間際に、親しい取引先や親族だけに弁済し、その他の取引先を泣かせないこと
このようなことがあると、裁判所若しくは破産管財人は、一旦弁済したものを取り戻すことを要求し、会社代表者の破産手続においては、免責(債務支払の責任を免除してもらうこと)が認められなくなる可能性があります。
費用
費用についてはこちら⇒弁護士費用ページ「破産事件の着手金」をご覧ください。